YA1082　ナイン　126×204

ナインはイスファハン州にあり、古都イスファハンから東に150kmほど行った場所にある町です。カシャーンやイスファハンなど古い絨毯の産地と比較するとナインで絨毯が織られ始めたのは比較的新しく1930年代になります。デザイン的にはイスファハンの影響が濃くあります。

色はアイボリーをベースにブルー系を使用しているものが多く、色数も少ないため爽やかな印象で、日本人にとても好まれてきた絨毯です。
ブルーの他には赤も多く、黄色や緑、最近は淡いパステルカラーなども使われますが、それぞれ単色使いでアイボリーやベージュとのシンプルな組み合わせです。

ナインの絨毯には独自の分類があり、ノットの密度に応じて、4La、6La、9Laと区別されます。経糸1本が何本の糸から出来ているかということが基準となり、数値が小さいほど細かく、より精巧に織られています。一般的に目にするものはほぼ6Laと9Laですが、4Laとなると100 万ノット/平米を超える最高品質の絨毯です。
また経緯糸はコットンです。パイルは基本的にウール、そして一部アイボリーのシルクが使用されることも多くあります。

店主個人的には、ナインの絨毯は昔から日本人の目に触れる機会が多く、また落ち着いたシンプルクラシックな印象で、今まで積極的に扱うことはありませんでした。
ですが、この絨毯はナインの中ではレアな一方柄、パフラヴァン・サファイーデザイン（その名前の工房が始めたデザイン）で、豊かな楽園のような雰囲気が大変魅力的でした。
色数も寒色系でまとまっていますが珍しい多色使い。ぶどうの綺麗な紫や、葉っぱのグリーンの美しさ、うさぎや鹿、鳥の生き生きとした表情など魅力が詰まっています。
ノットは6Laですが非常に細かく1cmあたりに9×9ほどあります。そのためデザインが細かく華やかです。そしてまたシルクがたっぷりと使われていて、モチーフの縁取りや写真の中で指さしている部分、うさぎや木の幹などのアイボリーの色もシルクです。それらが光に当たるととても美しく輝きます。

経年は20～30年ほど、もともと状態は非常に良く、パイルやフリンジのいたみはありません。クリーニング済のため気持ち良く使用していただけます（※）。
細かいモチーフをはっきりと見せるために毛足はもともと短めで、ウールはフワフワのタイプではなく少しハリのあるものを使用しています。足触りもさらりとしていて、見た目も爽やかな絨毯は夏でも心地よく使用していただけます。

※大変状態のいい絨毯ですが、一度人の手に渡ったものであることはご了承ください。

サイズ：約126×204cm
産地：ナイン
素材：ウール&シルク、コットンの基礎
年代：1990～2000年代頃
重量：約6.7kg