YA1036 トルコ　カイセリ　アンティーク

トルコの中央部に位置する都市カイセリのアンティーク絨毯です。

デザインはシャーアッバス文様の花柄。
トルコ絨毯は幾何学的なデザインが多いですが、カイセリの絨毯にはペルシャ絨毯からの影響と思われるデザインがあります。

トルコでは輸出向けの生産ブームが起こるのはペルシャ絨毯より10～20年ほど早く、1860年代から始まり1890年代にはアナトリア内陸部へ広がり、19世紀末から20世紀初めにかけてさかんに織られるようになったそうです。
しかし第一次世界大戦が終わってオスマン帝国が滅ぶとトルコ絨毯輸出は急速に落ち込んでいったとのこと。
（※参考）

この絨毯もその時代、20世紀初頭頃に輸出用に織られたものと思われます。

長い年月を経て繊維の一本一本に透き通るような透明感と艶が出て、光に当たるとキラキラと輝きます。
毛足は短めですが、柔らかなウールでさらっとした手触り、しなやかで薄手の絨毯です。
そしてなんといっても色合いの華やかさが目を引きます。

状態もいいです。パイルは特に摩耗している部分はなく、フリンジもセルベッジもオリジナルで残っています。
一部に補修ありますがとても丁寧な仕事です（写真で○で囲んだ部分）。

個性的なボーダー部分などは現代にはない面白さもあり、とてもレアな絨毯です。


※参考：「ペルシャ絨毯の道-モノが語る社会史-」　著者：坂本勉　山川出版社 (2003年)


産地：トルコ　カイセリ
年代：20世紀初頭（1900～1920頃）
サイズ：約172×118cm
素材：ウール on コットン
重量：約4.25kg