YA1171　ハマダン　203×126

ハマダンの絨毯はイランの西部にあるハマダン州の州都ハマダン周辺で織られる絨毯の総称で、近隣の村や街で大量に織られる絨毯の取引の中心地でもあります。
ナハバンド、トイセルカン、ホセイナバード、リリアン、ボルチャル、エンジラス、など周辺の街や村の名前で販売されるもの、またシンプルにハマダンとして販売されるものがあります。
デザイン、サイズも多岐にわたります。織りはシングルウェフトと呼ばれる太い緯糸1本のみで織られることが特徴です。

こちらは、おそらくハマダンの中でもメフラバンの村の絨毯と思われます。
様式化された花柄、珊瑚色の赤、淡い青から中等度の青、クリーム色、青りんごを思わせる淡い黄緑がメフラバンの色の特徴でもあります。

第2次大戦前、おそらく1930年代頃のもの。
天然染料が輝くような発色で、華やかな花柄がフィールドの深いネイビーに映えてデザインとしても輝きが感じられます。クリーム色のボーダー部分の両端部分の黄緑色がとても良い色です。

毛足は長め、織りはハマダンの中では細かい織りです。ハリのある艶や叶ウール。パイルに摩耗はほぼ感じられず、年代の割にとても良い状態と言えます。
ハマダンの絨毯は非常に幅広くたくさんありますが、この時代の良いものは近年美しさが見直され、評価も上がっています。

サイズ：約203×126cm
産地：ハマダン（メフラバン）
素材：ウール on コットン
年代：1930年頃
重量：約7.5kg