YA1160　マズラガン　オールド　190×139

マズラガンはイランの北西部、マルキャズィー州にある村です。この非常にレアで個性的なデザインは一般的にマズラガンとされていますが、実際にはほぼ同じデザインがこの周辺のいくつかの村、そして少し東の街サーヴェでも織られています。

オールドとしていますが、ほぼアンティークに近い年代のもの。

メダリオンの周辺は鋸状のギザギザで囲まれていて、通称「稲妻」と呼ばれています。
実際に、細かい織りとはっきりとしたコントラストで稲妻が光っているような動きが感じられ、マズラガンデザインの中でも完成度の高い良いオールドです。赤は茜の赤で、全体に天然染料の鮮やかな色合い。グリーンは黄色と藍で2度染めて表現されるため、よく見ると2色の色斑が見え天然染料の柔らかな印象。

藍色のコーナー部分とメダリオンの中心は、垂直に花のモチーフと「狼の口」などと言われる魔除けの文様が並んでいます。稲妻もおそらく魔除けの意味が込められており、この絨毯の上に座ると守られるような安心感が感じられる気がします。

メダリオンを中心にパイルは摩耗が見られ少し薄くなっていますが、丈夫な構造に、フリンジは丁寧に補修されて新しいものと交換され、また耳の部分もしっかりと巻きなおされていますので、通常使用に十分耐える状態です。

デザインのメリハリのある美しさが大変魅力的な絨毯です。

サイズ：約190×139cm
産地：マズラガン　または　サーヴェ
素材：ウール on コットン
年代：1930年代頃
重量：約6.0kg