YA1125　マラーイエル　オールド　203×130

マラーイエルはハマダン州の重要な産地の一つ。多くは自宅で織られるいわゆるヴィレッジラグでそのデザインは多種多様です。

ハマダンとサルークという主要な絨毯の産地に近いためマラーイエルでは両方のタイプの絨毯が生産されました。ハマダンに似たものはシングルウェフト（一本の緯糸）でゆるめに織られ、サルークタイプはダブルウェフト（二本の緯糸）で、主にサルークと同じく青い緯糸を使い、細かく、より高品質な絨毯です。

こちらはサルークタイプ（マラーイエルサルーク、またはジョーザンサルークとも）のマラーイエルの絨毯。

なんとも美しいデザインです。細かい織りで調和がとれています。珍しいオレンジがかった色のメダリオンとコーナーが華やかで、それでいて落ち着いた雰囲気があり、ウールは柔らかく艶があります。

フィールドは黒ではなく深い藍色で花柄が浮き上がって見ます。オレンジやイエローなど光を感じる色と、ボーダーのパロメット文様のモスグリーンなど落ち着いた色の対比が見事です。

メダリオンとコーナー部分のモチーフは愛や豊かさを表すとされる柳の木。ほとんどそっくりなデザインと配色の古いカシャーンの絨毯を本で見たことがあります。そちらが元になっているのかもしれません。 

耳の部分に少しウールが欠けているところがあります（写真矢印参照）。フリンジは短め。表面のパイルはほぼ均一に残っています。

個性的な色かもしれませんが、ピンとくる方はいらっしゃると思います。店主もかなり一目惚れで仕入れた絨毯です。

起源　イラン　マラーイエル（マラーイエルサルーク）
年代　1940　年代頃
サイズ　約203×130cm
素材　パイル：ウール　　経糸：コットン

重量　8.5kg